ディジタル信号処理フィルタの縦続接続と並列接続

2022年12月13日2022年12月15日

畳み込み積分の性質

畳み込み積分は下記に示す性質を持ちます。

$$x[n]*h[n] = h[n] * x[n]$$

$$x[n] * \{h_1[n] * h_2[n]\} = \{x[n] * h_1[n]\} * h_2[n]$$

$$x[n] * \{h_1[n] + h_2[n]\} = x[n] * h_1[n] + x[n] * h_2[n]$$

二つのディジタルフィルタ$S_1, S_2$のインパルス応答をそれぞれ$h_1[n], h_2[n]$とする場合のことを考えます。

フィルタの縦続接続は下図のような、２つのフィルタを直列に接続するような場合を言います。カスケード接続と呼ばれることもあります。

フィルタの縦続接続は次式のように表されますが、それぞれ同じ意味を持ちます。上記の畳み込み積分の性質からも成り立つことがわかります。

$$y[n] = h_2[n] * w_0[n], w_0[n] = h_1[n] * x[n]$$

$$y[n] = h_1[n] * w_1[n], w_1[n] = h_2[n] * x[n]$$

$$y[n] = \{h_1[n] * h_2[n]\} * x[n]$$

フィルタの並列接続は下図のような、２つのフィルタを並列に接続するような場合を言います。

フィルタの並列接続は次式のように表されますが、それぞれ同じ意味を持ちます。上記の畳み込み積分の性質からも成り立つことがわかります。

$$y[n] = \{h_1[n] + h_2[n]\} * x[n]$$

$$y[n] = h_1[n] * x[n] + h_2[n] * x[n]$$

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