ディジタル信号処理– category –
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線形畳み込みと循環畳み込み
畳み込み演算 線形畳み込み ここで、線形畳み込みについて説明しておきます。線形畳み込みは次の式で表されます。 $$h(n) * x(n) = \sum_{m=0}^{N-1} h(m) x(n-m)$$ \(x[n]\)、\(h[n]\)が下記のような場合を考えます。 $$h[n] = [1, 3, 1]$$ $$x[n] = [2, ... -
ディジタル信号処理 z変換
z変換の定義 連続時間システムでは、通常ラプラス変換を用いてシステムの解析および設計を行います。z変換はラプラス変換の離散時間版です。信号\(x[n]\)に対するz変換は次式で定義されます。 $$X[z] = \sum_{n=-\infty}^{\infty} x[n] z^{-n}\tag{1}$$ 因... -
フィルタの極と零点
ディジタルフィルタの伝達関数\(H[z]\)は次式で表されました。 $$H(z) = \frac{Y(z)}{X(z)} = \frac{\sum_{k=0}^{N} b_k z^{-k}}{1 + \sum_{k=1}^{M} a_k z^{-k} }$$ 分子部分がFIRフィルタに関係し、分母部分がIIRフィルタに関係します。 FIRフィルタの極... -
伝達関数の極と零点
伝達関数 LTIシステムの関係は次式で表されることを以前定義した。 $$y[n] = \sum_{k=-\inf}^{\inf} h[k] x[n-k]$$ ここで、\(X[z]=Z[x[n]], Y[z]=Z[Y[n]]\)とおくと、上式の両辺を定義通りz変換すると、次式が得られる。 $$Y[z] = \sum_{n=-\inf}^{\inf}\... -
ディジタル信号処理 ディジタルフィルタの周波数応答と伝達関数
LTIシステムの動作はインパルス応答によって記述されますが、ディジタルフィルタに求められる動作は特定の周波数帯域を通過し、それ以外の周波数帯域を遮断するということが求められます。したがって、周波数軸上でのシステムの応答を考えます。 複素指数... -
ディジタル信号処理 フィルタの縦続接続と並列接続
畳み込み積分の性質 畳み込み積分は下記に示す性質を持ちます。 交換則 $$x[n]*h[n] = h[n] * x[n]$$ 結合則 $$x[n] * \{h_1[n] * h_2[n]\} = \{x[n] * h_1[n]\} * h_2[n]$$ 分配則 $$x[n] * \{h_1[n] + h_2[n]\} = x[n] * h_1[n] + x[n] * h_2[n]$$ フィ... -
ディジタル信号処理 安定性と因果性
ディジタルフィルタにおいて、安定性(stability)と因果性(causality)は重要な概念です。それぞれについて見ていきましょう。前提としてLTIシステムについて考えます。 安定性 有界 全ての時刻\(n\)に対して、\(|x[n]| <\infty\)のとき、信号\(x[n]\... -
ディジタル信号処理 ディジタルフィルタの構成
ディジタルフィルタの構成要素 前回の記事の線形差分方程式からわかるようにディジタルフィルタは以下の3つの要素から構成されます。 遅延器(ディレイ) 加算器 乗算器 これらの構成要素を用いれば、\(N\)次の線形差分方程式で記述されるディジタルフィル... -
ディジタルフィルタ FIRフィルタとIIRフィルタの線形差分方程式による表現
線形差分方程式 一般のディジタルフィルタの入出力関係を表すN次差分方程式の一般形は次式で与えられます。 $$y[n] = -\sum_{k=1}^N a_k y[n-k] + \sum_{k=0}^N b_k x[n-k] \tag{1}$$ ただし、\(n < 0\)に対しては、\(x[n] = y[n] = 0\)とする。 上のy[... -
ディジタル信号処理 畳み込み
インパルス応答 線形時不変(LTI)システムに単位インパルス信号\(\delta[n]\)を入力したときの出力をインパルス応答といいます。インパルス応答はLTIシステムの振る舞いを知るために重要な要素です。なぜかというと、インパルス応答がわかれば、システム...
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