ディジタル信号処理 線形時不変システム

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システムとは

ディジタル信号処理においては、離散時間の入力信号から何らかの処理を施して、出力信号を作り出すものを総称して、離散時間システムとよんでいます。

システムの入出力関係は次式で表されます。

$$y[n] = S[x[n]]$$

ここで、\(y\)は出力信号、\(x\)は入力信号、\(S\)は何らかの処理を行うものを表しています。

線形性

次の2つの条件を満たすシステムは線形性(linearity)を持つといい、線形システムといいます。

(1)スカラ\(a\)と入力信号\(x[n]\)に対して、

$$S[ax[n]] = a S[x[n]]$$

(2) 入力信号\(x_1[n], x_2[n]\)に対して、

$$S[x_1[n] + x_2[n]] = S[x_1[n]] + S[x_2[n]]$$

(1)は定数は、入力に先にかけても、システムを通してからかけても同じということを表しています。

(2)は二つの入力を先に足しておいて、システムに通してものと、別々に通してから足し合わせても結果は同じことを表しています。

線形性は上記2つの条件を合わせて表すことができます。

$$S[a_1 x_1[n] + a_2 x_2[n]] = a_1 S[x_1[n]] + a_2 S[x_2[n]]$$

これを重ね合わせの原理といいます。

時不変性

次の条件を満たすシステムは時不変(time-invariant)であるといい、時不変システムといいます。

$$y[n + T] = S[x[n + T]]$$

これは、入力を遅らせて、ずらして入力しても出力も同じ時刻ずれて出力されるだけであり、システムの特性が時間によって不変であることを意味しています。

線形時不変

線形かつ時不変なシステムを線形時不変システムと呼ばれます。

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